1860年にオーストリア帝国の南モラヴィア地方(現在のチェコ)で生まれたミュシャは、ウィーン、ミュンヘンで絵を学んだ後、28歳のときにパリに移ります。1895年に舞台女優サラ・ベルナールの芝居のために制作したポスターが話題を呼び、以後彼は民族衣装や装飾品に身を包んだ女性を植物文様の中に描いたポスターを多数制作しました。
しかし、彼は人気絶頂のさなか1910年に故国に戻り、1939年に没するまで、スラブ民族の歴史を題材とした壮大なスケールの作品を数多く制作しました。現在、ミュシャの名は、19世紀末に世界的に流行した「アール・ヌーヴォー様式」の代表人物として位置づけられています。
本展は、彼の祖国チェコをはじめ、フランスの美術館からの出展の他、日本で最も多くのミュシャ作品を所蔵する堺市の所蔵品で構成するもので、初期の油彩画、水彩画から華麗な代表作やポスター作品などに加え、晩年のチェコにおける作品まで、ミュシャの全貌を俯瞰できる展覧会です。草花に囲まれ、美しい衣装に身を包んで佇む女性たちの姿は、女性美の極みの一つと言えるでしょう。
2010年4月からスタートした本展は、この金沢展が最終会場となります。また、金沢21世紀美術館としいのき迎賓館の2会場を使用した展覧会は本展が初となります。
ぜひこの機会に、19世紀末のパリに花開き、祖国をこよなく愛した画家ミュシャの世界をお楽しみください。
◆チケットのお求め:北國新聞チケットセンター 076-260-8000
※前売り券は各200円引き ※団体(20名以上)は前売り料金の200円引きです。
◆お問い合わせ:ケィ・シィ・エス 076-224-4141